ご挨拶

大会長:添田 百合子
創価大学看護学部 成人看護学 准教授・慢性疾患看護専門看護師

 今、医療の現場は、大きな変化の時を迎えています。超高齢化社会を背景に、医療機関のみならず地域も含め継続した包括的なケアが推進されています。また、医療科学技術の進歩にともない、高度先端・先進医療なども進められるようになりました。

 近年の医療を取り巻く環境は変化の連続であり、専門看護師(Certified Nurse Specialist,CNS)が誕生した1996年頃とは違う医療構造のなかで、CNSへのニーズや高度実践看護への認識も変化しています。このような中、CNSはさまざまに進化し、ユニットベースで活動するCNSから、看護専門外来、地域へと活動を広げているCNS、医療機関から飛び出し地域で看護を実践するCNS、大学や研究機関で高度先端・先進医療に関わり看護を創るCNS、教育者のCNS、教育と臨床で実践しているCNS、認定看護管理者とCNSを兼ねているCNS、政治家になっているCNSもいます。このように、CNSは、社会やケアを必要としている人々の状況を理解しながら、多様性に富んだ活動に取り組み進化を続けています。

 しかし、CNSへのニーズは明確なものばかりではなく、潜在ニーズも多く存在します。潜在ニーズはそれを満たす方法が提示されて初めて社会の人々に認識されます。CNSには未来を見据え、社会そして病気をもちながら生活する人々が感じる不安や潜在するニーズを察知しながら、新しいケアや高度実践看護の提供方法を自ら創造し、提案していくことが求められています。したがってCNSは、医療機関から在宅・地域へという流れのなかで、高度実践看護にともなう「裁量」や、自らの高度実践看護の進化と広がりを考えていく必要があります。

 そこで、第3回日本CNS看護学会のテーマは、「高度実践看護の進化と広がり~裁量・創造・継続~」としました。基調講演では、日本看護協会会長 坂本すが先生に高度実践看護の未来についてご講演いただき、シンポジウム、パネルディスカッション、スキルアップセミナー、教育セミナー、政策セミナーなどを企画しています。CNSが社会のニーズに応えて今後どのように活躍できるかを検討し、あるいはCNS自ら創造した実践を提案できるような大会にしていきたいと考えております。

 本学会は、専門看護師のみならず、臨床看護師、訪問看護師、看護管理者、教育者、研究者など高度実践看護に関心がある方ならどなたでも参加できます。多くのみなさまのご参加を心よりお待ち申し上げます。

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